この記事は『バーバリアンズ 若き野望のさだめ』 を見た感想と時代背景をまとめています。
ゲルマン人とは?
『バーバリアンズ 若き野望のさだめ』 ではローマ人とゲルマン人の対立を描いています。
ゲルマン人は長身・金髪・青い眼といった身体的特徴を持ち、言語はインド=ヨーロッパ語族に属するゲルマン語派(ドイツ語や英語の先祖)を使用し、自然信仰を持つ人々です。
元は北欧を起源とし、本作品の紀元前1世紀頃のローマ帝国時代には、ライン川・ドナウ川の北方地域に進出し、ローマ帝国の東・北の領域に住んでいました。

ラテン人は現在のフランスに住むケルト人をガリア人と呼び、ライン川より東、ドナウ川より北の現在のドイツあたりに住む人をゲルマン人と呼びました。
バーバリアンズの意味は?
「barbarian」の語源は、古代ギリシア語の「バルバロイ(βάρβαροι)」に由来します。
ギリシア人以外の外国人の言葉が「バルバル」と繰り返されるように聞こえたことから、それを指す蔑称として使われたとされています。

また、一説によるとギリシア人以外の民族が進行する宗教の神「バール神」を信仰する人々をバルバロイと呼ぶようになったという説もあります。バール神はフェニキアや古代シリア・パレスチナ地方で進行されていた神です。

ポエニ戦争で有名なカルタゴの将軍ハンニバルの名前もバール神に由来しています。
バール神は後にキリスト教では異教徒の神=悪魔としてベルゼバール(ベルゼブブ)という悪魔の王として位置づけられていきます。
バーバリアンズの時代背景は?
『バーバリアンズ 若き野望のさだめ』 の時代背景は帝政ローマ初期です。

紀元前27年、ローマの元老院からオクタウィアヌス(カエサルの養子)が「アウグストゥス(尊厳者)」と任命されたことにより、ローマ初代皇帝となった時代から間もないときです。

物語に登場するローマ帝国の士官アルミニウスは実在する人物で、ゲルマン人でありながらローマ市民権を得た上、エクィテス(騎士階級)への異例の昇格を果たした人物です。
ローマ帝国の鷲の意味

物語の中でゲルマン人とローマ人が衝突するきっかけとなったのが、ローマ帝国の鷲の像です。

ローマ神話の最高神ジュピテル(ユピテル)の象徴であり、また亡くなった皇帝の魂を天国へ運ぶと考えられていました。古代ローマではローマ市の中心にユーピテル神殿が建立されて永くローマの守護神として崇められていました。