古代史好きな28歳サラリーマンのブログ

古代史(特に縄文、弥生、古墳時代)が大好きです。

AIが人間の知能を超えるシンギュラリティが起きた先では、AIが人間を支配するのか???

Netflix浦沢直樹の漫画『PLUTO』がアニメ化され配信が始まりました。手塚治虫っ子で連載当時からファンだった私としては、楽しみで仕方がないです。   巷では「AI」や「シンギュラリティ」という言葉がトレンドになってますが、この作品と通じるところもあるので記事にしてみました。

 

   

AI人工知能とは

Artificial intelligenceの発展がめざましいです。 ChatGPTはもちろん、AIがあらゆる分野のサービスに搭載され急激に拡大しています。  この進化のスピードを体感していると、AIが人間の知能を超える瞬間(シンギュラリティ=技術特異点)がやって来るという、かつての仮説も現実味を帯びてくるように思います。  

 

AIがシンギュラリティに達した世界では、人間の仕事はAIによって奪われてしまうのでは、と不安を抱く人もいるでしょう。  やがて、知能で劣った人間はAIによって支配されてしまうのではないかと、ターミネーターの世界を予見するような印象を持ちます。  

 

人間はAIによって仕事を奪われて、支配されてしまうしかないのでしょうか。  

 

シンギュラリティ仮説とは?

 シンギュラリティとはAIの能力が、全人類の知性の総和を超える転換点(技術的特異点)を指す言葉です。 人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル博士によって、2005年に発表された著作「The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology」の中で提唱されました。  

 

カーツワイル博士は「シンギュラリティは2045年に訪れる」と述べています。この予測は「半導体の集積密度は18~24か月で倍増する」という半導体業界の経験則「ムーアの法則」を根拠に計算されたものです。  つまり、2045年になると人間の知能を超えたAIが、自らプログラムを組んでより高度なAIに進化していく可能性があるということです。  

 

カーツワイル博士はThe Singularity Is Near 』という書籍を執筆し、シンギュラリティの名が一躍広がりました。実はこの本には「AIが人間を超える」と書いてあるわけではない点に注意が必要です。

 

この本のサブタイトルは「When Humans Transcend Biology」「人間が生物学的な人間を超えるとき」という意味です。すなわち、人間の知能が非生物的知能と融合して爆発的に進化することがシンギュラリティだと述べられています。

 

 

人類と機械の歴史を遡ってみますと、大きな転換点となったのは18世紀の産業革命でしょう。蒸気機関の開発によって、人間の身体能力を拡張する機械が誕生しました。

 

鉄道や自動車によって人間の「足」では到達できなかった地点までの移動が可能になり、電話やsmartphoneによって、人間の「耳、口」では不可能だった離れた相手との会話が可能になりました。次は人工知能によって「知能」を拡張することができるようになるというのです。  

 

例えば、藤井聡太さんは将棋界において、AIによって人間の知能を拡張するシンギュラリティを引き起こした第一人者なのではないかと思います。藤井さんはAIと将棋を対局を重ねる事で、今まで誰も思いつかなかったような手を次々と編み出し、史上初の8冠を達成しました。

 

AIは使い方しだいで、人間の能力を最大限高めることができる、「ツール」である事が証明された事例であると思います。   しかしながら、近年巷で(とりわけビジネス業界で)騒がれるAIブームはバブル的です。誤ったメッセージが発信されている事に懸念を感じる人もすらいるのではないでしょうか。ビジネス界隈で耳にするような、非生物である人工知能が自己増殖し人間をせん滅させる、例えるならターミネーターの世界のような単純な二項対立をカーツワイル博士は主張しているわけではないのです。

 

 「AI」が様々な意味を含意した不明確な内容のまま、マーケティング用語として広く利用されてしまっているわけですが、そのような中でシンギュラリティという言葉を使って「AIに仕事が奪われる」と危機感を煽るような論者は信用する必要がないと感じました。    

 

何をもって人間を超えたとするか?

 

 カーツワイル博士が主張する「人間の能力を超える」という意味は明確に定義されているわけではありません。計算能力などは既に人間を超えています。ここからはSFチックなお話にもなりますが、人間の知能を超えたAI像について考えてみました。  

 

AIは人間ではできない高度な計算ができますが、明らかに人間の知能に劣っている部分があります。それは「感情」です。人間は「喜怒哀楽」といった感情や情緒(心の動き)を持っており、人間同士の関係性や社会を維持していく上で必要不可欠な要素となってきます。  

 

手塚治虫の『火の鳥』ではスーパーコンピュータのハレルヤが人間の代わりに政治判断を担っていました。人間が政治家と異なり、AIは私情や感情を挟むことがないため、最適な決断を下すことができるのかもしれません。あくまで機械的に計算して答えを導き出す事はできますが、人間の心を動かして、感動を与える事は、AIにはまだまだできないでしょう。  

手塚治虫の『鉄腕アトム』の世界では心を宿したロボットが現れるようになり、人間と衝突する様になります。AIと人間が感情を共有できるような世界が訪れた時、人間を超えたAIが誕生する瞬間と言えるのではないでしょうか。  

 

 

 

まとめ

 

AIの進化によって仕事が奪われるのではないか?と懸念する必要は全くないです。AIを敵視し、対立するのではく、使いこなす能力を養う事が大切ですね。