古代史好きな28歳サラリーマンのブログ

古代史(特に縄文、弥生、古墳時代)が大好きです。

パレスチナと進撃の巨人

2023年10月パレスチナ自治区イスラム過激派組織ハマスイスラエルに攻撃を仕掛けたニュースを目にしました。 イスラエルパレスチナの問題について調べるうちに『進撃の巨人』のテーマと重なる点があると感じてまとめました。

【※進撃の巨人のネタバレを含みます※】

 

進撃の巨人のあらすじ

進撃の巨人』では人間が住む居住区の周囲を高さ50mの壁で取り囲む事で、人間に危害を与える(人間を捕食する)巨人の侵入を防いでいます。

壁の建築によって人間は巨人の脅威から脱却し、壁内にいる限りは安寧を手に入れる事ができるようになりました。壁内にいる限りは命を脅かされる事なく幸せそうに思えます。そんな中で壁の中で一生暮らすなんて家畜と同じじゃないか!外に出たい!考えたのが主人公のエレンです。

壁の中の世界では命が保証されている代わりに、壁内の王政府は壁の外の世界に興味を持つ事を禁じています。100年間以上壁内では巨人によって生命を脅かされる事なく、平和に過ごしていましたが、それでもエレンは外の世界への探究心を捨てる事ができないのでした。

 

進撃の巨人の壁のモデルはベルリンの壁

今まで進撃の巨人の壁のモデルになったのは「ベルリンの壁」だと考えていました。

ベルリンの壁とは米ソが冷戦で対立する中で、東ドイツと西ドイツを分断するためにベルリンに作られた壁です。第二次世界大戦後の東西冷戦の象徴となっていたベルリンの壁は1989年に壊され1990年には東西ドイツが統一されました。

 

パレスチナ問題を調べる中で、ヨルダン側西地区の分離壁がモデルになっているのではないかと考えるようになりました。

 

進撃の巨人の壁のモデルはパレスチナ

上はイスラエルによってヨルダン側西地区に建設された高さ8メートルのコンクリート壁です。ヨルダン側西地区とはパレスチナ地方にあるアラブ人の自治区域です。

 

 

パレスチナ地方におけるアラブ人とユダヤ人の紛争は、まるで進撃の巨人のエルディア人とマーレ人の対立によく似た構造なのです。

 

イスラエルの歴史

3000年前ユダヤ人は神から与えられた土地としてエルサレムに暮らしていました。エルサレムユーラシア大陸とアフリカ大陸の接合部分に位置するため、色んな民族がこの土地を通ることから、様々な争いに巻き込まれてしまいます。最終的にエルサレムに住む事ができなくなってしまったユダヤ人は世界中に離散していきます。(ディアスポラ)

手塚治虫:アドルフに告ぐ

故郷から離れたユダヤ人は迫害される事も多く苦しい思いをした人が大勢いたでしょう。第二次世界大戦下のナチスによるホローコーストは有名です。

 

祖国がないユダヤ人の苦しみから19世紀末になると「ユダヤ人は母国に帰るべき」と主張するシオニズムユダヤ人の間で広がっていきます。第一次世界大戦の中でパレスチナを管理していた英との約束もあり、20世紀には祖国エルサレムのあるパレスチナに移住するユダヤ人が増えていきます。

 

しかし、パレスチナには7世紀からイスラム教を信仰するアラブ人が住んでおり、彼等にとってもパレスチナは先祖代々住んできた故郷なわけで、移住してきたユダヤ人と対立するわけです。これがパレスチナの紛争であり、中東戦争や2023年10月から始まったハマスイスラエルの争いにも繋がっていきます。

重要なのはユダヤ人、アラブ人の双方にとってパレスチナは祖国であり、どちらの言い分も正しいという事です。戦争によって大切な家族や友人を奪われた人は、やがて相手国や相手国民を憎むようになっていきます。戦争を繰り返す中でパレスチナの大部分はユダヤ人の土地となり、アラブ人は東西の一部の地域に自治区として居住することになっているのが現状です。

 

まとめ

進撃の巨人ではエルディア人とマーレ人との長い争いの歴史がテーマになっています。争いの中で二つの民族の間には大きな憎しみが生まれ、マーレ人はパラディ島に住むエルディア人を悪魔の末裔と差別するような教育を受けています。

 

居住区を囲む「壁」を通じて、我々人類はパレスチナ問題をどのように克服していくべきか問いかけているのではないでしょうか。

 

 

私はまずパレスチナの歴史について正しく知る事から始めたいと思います。

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