『名探偵コナン100万ドルの五稜星』を観て日本史との関連をまとめました。
土方歳三とは?
土方歳三とはかつて幕末の戦場を駆けた、新撰組鬼の副長と呼ばれていた人物です。
新撰組は江戸時代末期に江戸幕府の募集により組織された浪士隊(主君から離れた武士のこと)です。
新撰組が活躍した土地は京都でしたが、土方歳三の最期の地が戊辰戦争(旧幕府軍vs.明治新政府軍)下の函館であったことから、今回の舞台は函館になっています。
土方歳三はなぜ函館に来たのか?
慶応3年10月14日(1867年11月9日)15代将軍・徳川慶喜(よしのぶ)が将軍を辞し、大政奉還を行ったことで幕府は事実上崩壊します。
その後1868年1月の鳥羽・伏見の戦いをもって、旧幕府軍と明治新政府軍のおよそ1年にも及ぶ戊戦争となりました。戊辰戦争(ぼしんせんそう)です。
京都にいた新撰組はこの戦争に旧幕府軍として参加し活躍します。しかし、新政府軍は最新式銃や大砲によって敗戦を繰り返し、甲州勝沼の戦いで新撰組局長近藤勇は新政府軍に包囲され投降し処刑。
近藤勇亡き後新撰組は解散状態となり土方歳三は宇都宮、仙台、箱館と旧幕府軍として各地の戦争に参加していきます。
五稜郭タワーより撮影
仙台を脱出した旧幕府軍は、蝦夷箱館の五稜郭に入り、榎本武揚(えのもとたけあき)を総裁とする箱館新政府「蝦夷共和国」を樹立。
土方歳三歳三は陸軍奉行並箱館市中取締裁判局頭取に就任しますが、新政府軍が箱館総攻撃を開始した1869年5月、二股口の戦いで敵の流れ弾が腰に当たり、無念の死を遂げます。
なお、冒頭に箱館の五稜郭を占領した土方歳三の元へ新政府軍が襲撃しチャンバラするシーンがありますが、新政府軍が五稜郭の奉行所を襲う事件は史実にはないようです。
映画に登場した刀は実在するのか?
映画で出てきた刀は実在するものなのでしょうか?
結論から言うと、映画オリジナルの架空の刀であると思われます。
作中には次の刀が登場しました。
柄(つか)が赤と青に装飾されています。
史実では土方歳三は箱館で四本の刀を所持していたと言われており、そのうち脇差は1本で「堀川国広」と呼ばれる名刀です。
土方歳三の刀で最も有名なのが「和泉守兼定」会津藩主・松平容保(まつだいらかたもり)から下賜されたと伝えられる土方歳三の愛刀です。会津藩のお抱え刀工だった会津11代和泉守兼定が作ったものとされています。
架空ではありますが、これらがデザインのモデルになっているように思えます。
しかし、残念ながら鍔(つば)が五稜郭の形をした刀は確認されていないようです。
●ざっくり箱館戦争の流れをまとめた
●土方歳三らは明治政府軍の軍艦を盗んで北海道へ移動した?