ワンピース第1110話にて五老星の一人、トップマン・ウォーキュリー聖の能力が封豨(ほうき)と明かされました。
日本史と封豨(ほうき)の関わりについてまとめていきたいと思います。
封豨(ほうき)は、中国に伝わる伝説上の怪物。です。封豕とも呼ばれます。桑林(そうりん)という地に棲んでいたと言われています。
封豨(ほうき)の名前の由来
封豨(ほうき)の名前は、中国古代の神話や伝説に由来します。 元は中国の伝説上の獣であり、「封」は封じる、「豨」は猪を意味し、強大な力を封じ込めることからその名がつけられたとされています。
封豨(ほうき)とは?
封豨(ほうき)は巨大な猪の姿をしており、とてつもない怪力で、乱暴な性格の持主。家畜を襲い、田畑を荒らすだけではなく、人間も食い殺し、多くの人々にとって恐怖の存在であったとされています。
前漢の第7代皇帝武帝の時代の思想書『淮南子(えなんじ)』修務訓には、修蛇という蛇の怪物と合わせて「封豨修蛇」という四字熟語があり、乱暴者や侵略者を示す意味として使われます。
”呉は封豨修蛇と為し、蚕が桑の葉を食べるように国を侵略した。”『淮南子』より
山の神のモデルも封豨(ほうき)か?
封豨(ほうき)の特徴から『ワンピース』の光月おでんの過去で登場した、奪われた子供の猪を取り返す山の神を思い出しました。
家も人も、進路上にあるものすべてを飲み込む姿も描かれており、尾田先生は、封豨(ほうき)をイメージして山の神を描いたのではないかと思います。
封豨(ほうき)退治の伝説
封豨(ほうき)毛皮が鎧の様に頑丈なため、普通の武器では全く歯が立たなかったようです。
中国の戦国時代の詩集『楚辞』によると、帝堯(ていぎょう)※ の命を受けた弓の名手、羿(げい)によって足に矢を打ち込まれて生け捕りにされ、肉を切り刻み蒸し料理として献上されたとあります。
※帝堯:中国神話における三皇五帝のうち4番目の帝。
封豨(ほうき)を退治した羿(げい)にまつわる神話は日本にも伝わっています。『将門記』や『太平記』(巻22)などには、弓の名手の代表例として羿(げい)の名前があげられたり、9個あった太陽の内8個を射落としたことが引用されています。
現代の我々が考える弓の名手というと、那須与一やロビンフッドのようなイメージでしょうか。
まとめ
・封豨(ほうき)は中国神話における猪の怪物であり、暴君の象徴として使われる。
・『ワンピース』ワノクニで登場する山の神も封豨(ほうき)をモデルとした可能性がある。
・封豨(ほうき)を退治した羿(げい)は弓の名手として日本の軍記物にも登場している。