『ワンピース』に登場する太陽の神ニカ。能力や、かつてニカが関わったとされる巨大な王国のモデル・元ネタは「古代インド思想」であると考察します。
ワンピースの太陽の神ニカとは?

『ワンピース』1018話より
「ニカ」とは、『ワンピース』の主人公モンキー・D・ルフィが食べた悪魔の実「ヒトヒトの実 幻獣種 モデル:ニカ」の真の姿であり、「解放の戦士」として語り継がれてきた伝説的な存在です。

『ワンピース』1044話より
ゴムゴムの実の覚醒とされるニカの能力は、ゴムゴムの能力そのものが強化され、周囲のモノもゴムように伸縮させることができます。

『ワンピース』1045話より
それに加えて、自分の想像したことを現実に変えることができ、「ゴムゴムの巨人(ギガント)」と呼ばれる必殺技では、龍フォルムのカイドウよりも巨大なサイズに変身しています。

ニカは太陽の神として崇められ、天竜人によって奴隷とされている人々を解放し、笑いと自由をもたらす存在とされています。
ワンピースに登場する古代インド思想の痕跡

『ワンピース』より
『ワンピース』のかつて、世界政府と対立していた「巨大な王国」には、古代インド思想をモデルにしているものが多数見受けられます。

『ワンピース』22巻より
巨大な王国の古代文字で記された、「ポーネグリフ」は、古代インド(紀元前3世紀マウリヤ朝アショーカ王の時代)で用いられた「ブラフミー文字」に似ています。

『ワンピース』より
空島に登場した古代都市「シャンドラ」の名前は、インドの月の神「チャンドラ」が由来となっています。

空島に登場する4人の神官の名前は「修羅」「悟り」「解脱」「オーム」と仏教用語が盛りだくさんでした。

ビビの故郷であるアラバスタ王国は、エジプトがモデルなのですが、宮殿のモデルはインドの世界遺産「タージ・マハル」です。

『ワンピース』より
「ゾウ」の上にある「モコモ公国」は、世界を像が支えているという、インドの世界観そのものですし、「ズニーシャ」という名前はインド神話の神「ガネーシャ」が由来でしょう。
ニカの元ネタは仏教の大日如来か?
ニカの元ネタ・由来もインドで誕生した宗教である「仏教」における最高神(仏)がモデルとなっている可能性があります。注目してほしいのは、エルバフで登場する伝説の戦士ニカがもつ盾の模様です。

模様が太陽、もしくは仏教(密教)における曼荼羅(まんだら)に見えます。仏教の始まりは、はるか昔(紀元前)の「インド」つまり、古代インドの思想が色濃く反映されている事は後にふれていきます。

ニカのモデルとなった神は大日如来(だいにちにょらい)(マハーヴァイローチャナ)であると考えられます。大日如来(だいにちにょらい)は、仏教(密教)において最高の仏であり、宇宙の真理や宇宙そのものとされる宇宙の最高神です。 有名な東大寺の大仏(奈良県)も大日如来と同一ですね。

大日如来(だいにちにょらい)は、「偉大なる太陽」を意味し、仏教(特に密教)の世界観を表した「曼荼羅(まんだら)」では、中心に描かれます。
曼荼羅(まんだら)は宇宙を意味しており、その中心に位置する大日如来(だいにちにょらい)(マハーヴァイローチャナ)は太陽の意味があるのです。

『ワンピース』1018話より
大日如来(だいにちにょらい)(マハーヴァイローチャナ)の背後には満月が描かれることがあります。『ワンピース』のニカの初登場シーンには、背後に満月が描かれていましたね。

仏教(特に密教)において、大日如来(だいにちにょらい)(マハーヴァイローチャナ)の化身(人の姿を借りて人間界に転生した姿)を明王(みょうおう)と呼びます。

『ワンピース』1014話より
ワノ国でギア4のルフィの姿を見たヒョウ五郎がルフィを「明王(みょうおう)」と呼んでいたのは、ルフィが太陽の神の化身であることを意味する発言だったのではないでしょうか。

大日如来が人に宿り化身として現れたのが明王であり、太陽の神ニカが人に宿り化身として現れたのがジョイボーイであり、ルフィであるとわかってきました。
ニカの由来・元ネタはヒンドゥー教のシヴァ神?
ニカの由来・元ネタとして、ヒンドゥー教のシヴァ神である可能性もあります。

シヴァ神は、ヒンドゥー教の三大最高神の一人で、宇宙の「破壊」と「創造」を司る神です。シヴァ神は、踊りによって、宇宙を破壊し、新たな宇宙創造するといわれています。

『ワンピース』より
『ワンピース』のニカも「踊る神」であり、古い世界を破壊し新しい世界を創造するという意味が込められているのかもしません。

踊る神であるシヴァの手には太鼓が握られています。『ワンピース』に登場する解放のドラムのモデルでしょうか。

なお、ここまで見てきた仏教(密教)はヒンドゥー教の影響を強く受けて発展した思想です。仏教(密教)における妙王(みょうおう)は、インド神話のシヴァ神が起源であるとされています。大日如来(太陽の神)=妙王(大日如来の化身)=シヴァ神(破壊と踊りの神)なのです。
まとめ
・古代の王国にまつわるもののはインドとの共通点が多い
・ニカの盾に描かれた曼荼羅、太陽の神という共通点、背後の満月、明王と呼ばれることから、ニカのモデルは仏教の最高神(仏)、大日如来である可能性がある
・ニカが破壊と踊りの神であることから、ニカのモデルはヒンドゥー教のシヴァ神である可能性がある