ずっとみたかった「君たちはどう生きるか」を見てきました!
前評判としては、賛否両論。
面白かったという人と、つまらなかったと言う人の評価が極端に別れるとは聞いていました。
たしかに、「千と千尋の神隠し」や「崖の上のポニョ」と比べると家族みんなで楽しめる大冒険ファンタジーではなかったかな〜と思います!
自分としては今までのジブリ映画のオマージュのような場面や、宮崎駿からのメッセージがビシビシと伝わってきたので、もう一度観てもいい映画だと思いました🥺
なにより、ジブリを映画館で観られる時代に生まれた事が嬉しい😢
自分なりに、考察していきたいと思いますよ〜!
【以下、本編のネタバレを含みますので注意です】
面白くないと思ってしまう理由①
物語の設定がわからないまま話が進行していく。
まず、つまらないと思ってしまう人が多い理由の一つとして、時代設定や世界観の説明がないまま、ヌルヌルッと話が進んでいく点です。今作は事前情報が全くない状態で上映されたため、映画のオープニングを見ながら一体どんな話なんだろうと集中してみていくわけです。
物語の舞台は太平洋戦争下の日本。主人公の少年眞人は東京から母形の故郷である地方に移り住んで、生活していくのですが、、
ここまでが結構長いんです…(´-`)
風立ちぬより© 2013 Studio Ghibli・NDHDMTK
多くの人は、「蛍の墓」や「風立ちぬ」的な戦時中の話で、家族愛の物語なのかな〜と頭の中をセットしている人も多かったのではないでしょうか。
ところが、映画のタイトルポスターにもなっている鳥、アオサギが何やら怪しい行動をとり始めたり、行方不明になった義理のお母さんを探しに廃墟を通って、不思議な異世界へ冒険の旅に出て行くことになるんです。頭の中リセットです。
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
(アオサギの正体は鳥の被り物に身を包んだ中年のおっさんでした。千と千尋の神隠しの湯婆婆鳥にそっくり)
異世界に行くまでの尺が長すぎて、いったいどんな話なんだろうと焦らされる時間が、長すぎる!と感じてしまった人も多かったのではないでしょうか。
例えるなら、オープニングの長い「不思議の国のアリス」
アリスがウサギを追いかけるまでの生活シーン(学校いったり、家族との関係性とか)をずっと見せられた感じでしょうか💦
真人の成長を描く上では必要な場面だったことも理解できますが、ちょっと長かった…
ところで、アオサギが半分人間に戻った姿はメキシコのアステカ文明の「鷲の戦士」にソックリなんですよね〜。
アステカ文明の戦士は動物の力を借りるために、動物の毛皮に身を包んでいた。また、太陽を神として信仰していたといいます。今作のポイントになっている「宇宙」や「自然」と関係がありそうなので、アステカ文明について引き続き調べていきたいと思います🙋♂️
白いやつ(ワラワラ)とペリカンはなんだったのか
異世界にたどり着いた真人は、若かりし頃のキリコさんに出会い、海に繰り出し、デボン紀の地球に生息した古代魚のような魚を捕獲します。
© 2008 Studio Ghibli・NDHDMT
崖の上のポニョにも出ていたこんなやつです。
この巨大な魚を包丁を使って解体して、白いやつ(ワラワラ)に食べさせてあげるそうです。
このワラワラ達の正体がまた謎なんです。
© 1997 Studio Ghibli・ND
© 2001 Studio Ghibli・NDDTM
「もののけ姫」のコダマのような、「となりのトトロ」のススワタリのような。
キリコさんに魚を食べさせてもらい、成熟したワラワラ達は、プクーッと膨らんで、夜空にフワフワと飛んでいきます。
なんだか不思議な平和なシーンですが、突然のペリカン達が襲来!!
ワラワラ達を次々と食べていくではありませんか!
自然界の食物連鎖、弱肉強者をイメージしてしまうような衝撃的なシーンです。
このシーンから推測するにワラワラの正体はプランクトン・微生物・細菌あるいは、人間を形作るアミノ酸などの元素みたいなものだと考えます。
ワラワラは魚を食べる。しかしペリカンに食べられる。
これは自然界における食物連鎖を表現しているのではないでしょうか。
自然界において死んだ生物は微生物に細かく分解されて、次の生命の源となります。
これは人類の生まれるずっと昔から、恐竜が生きていた時代、魚だけが生きていた時代から地球で繰り返されてきたルールだと言う事を、我々に気づかせてくれる場面でしょう。
ワラワラ達が列を作って空に舞い上がった様子はまるで、私たちの遺伝情報を司る、DNAの二重螺旋のようでした。
キリコさんは「ワラワラ達は生まれ変わって人間になる」と説明します。
人間もまた、地球に住む生物の中の一種類に過ぎない。
いつか死ねば微生物によって分解され、土に還り、次の生命の源になる。
人間は自然の一部なんだということを伝えようとしているシーンとして受け取る事ができました。
つづく
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