今回は古代の神話を想像(妄想)してみました。
旧約聖書とシュメール神話の共通点
シュメール神話とは世界最古の文明を作ったシュメール人が粘土板に記した神話です。ノアの方舟などと類似したエピソードが含まれていることか『旧約聖書』を含む多くの神話の源流となったと考えられています。
シュメール神話の中に登場する神の一柱に「エンキ」という神がいます。エンキは知恵の神であり、人類に手工業、農耕、文字、法律、建築、魔術などを教えたとされています。
ノアの方舟に類似したエピソードにおいてジウスドラに命じて箱舟を作らせたのもエンキです。
エンキは下半身が蛇の姿で表されることがあります。蛇といえば『旧約聖書』においてアダムとイヴが禁断の実存在を教えて楽園追放の原因になった存在です。キリスト教においては蛇はサタン(悪魔)であるとされています。
知恵の神から悪魔とされたエンキ
エンキを象徴する動物に羊と魚があります。このイメージから山羊座ができあがったとする説もあります。
このイメージが引き継がれたと思われるキリスト教の悪魔としバフォメットがいます。みぞおちのあたりには二匹の絡みあった蛇がいることからもエンキを想像させます。
なぜ方舟を作るように促した慈悲深い神が悪魔とされてしまったのでしょうか。
ギリシャ神話において人類に火の使い方を教えたプロメテウスは人類に火の使い方を教えた罪として生きたまま3万年もの間鷲に肝臓を食べられ続ける罰を受けます。ギリシャ神話における大洪水の神話で方舟を作るように命じたのはプロメテウスです。
ギリシャ神話における発明の神であるヘルメスがもつケーリュケイオン(ギリシア語)またの名をカドケウス(ラテン語)では真ん中の杖に二匹の蛇が絡みついています。 二匹の蛇は悪魔バフォメットに取り入れられており、ヘルメスもキリスト教においては悪魔となっています。
このようにギリシャ神話においても、人類に知恵を授けた神が罪を問わられたり、悪魔とされてしまっているのです。
それでは、なぜ人類に知恵を与える事が罪なのでしょうか?
・キリスト教以外の神を信仰したから?
エンキやヘルメスはユダヤ教やキリスト教が新興宗教だった時代に対抗勢力であったために、邪教として攻撃する必要があったのだと思います。
・人が神を超えることを恐れたから?
一方で旧約聖書やギリシャ神話に共通する神が人類に知恵を与える事が罪とされる理由はわかりません。 神は人類に知恵を与える事で、神と同等の力を手に入れる、神を超越することを恐れたのではないでしょうか。
神の正体
神話ではしばしば人と神が交配する記述が見られます。
神の子らは、人の娘ごつくしいのを見て、おのおの選んだものを妻にした。これ(ネフィリム)は、神の子らが人の娘たちのところに入ってうませたものであり…『旧約聖書』
シュメール神話のギルガメッシュ、ギリシャ神話のヘラクレス、アキレウス、インド神話のアルジュナ、カルナは半神半人の英雄です。
すなわち、神話の神々は人のような姿をして、人と交配が可能だったことがわかります。
ここで思うのが、発達していた文明を背景に我々人類を支配していた別の人類なのではないでしょうか。
ホモサピエンスとは異なる人類なのか、ホモサピエンスの中でもより早く文明を発達させた人類なのかもしれません。
肌の色とメラニン
『第一得エノク書』には「ノアの父はノアの肌が白いのを見て、妻が神と不倫したのではないか?と疑った。」とあります。
つまり、神を自称していた人類は肌が白かったのではないかと推測できます。
アステカの神、ケツァルコアトルは羽の生えた蛇、白い顔をした英雄、インカの神、ピラコチャは色が白く、鼻が高く、大柄な英雄とされています。
人類の肌の色のちがいは居住環境の紫外線の強さによって生じたと考えられています。アフリカなど低緯度地域は紫外線が強く、紫外線から身体を守るために沢山のメラニン色素を持つ必要がありました。
白い肌と高い鼻で連想するのはコーカソイドですが、現在の人類に白い肌与えたのはネアンデルタール人と言われてます。
ネアンデルタール人(40万年前ー2万年前)はホモサピエンスよりも早くアフリカを出て日照陵の少ない高緯度地域に居住した結果、紫外線を吸収するためにメラニン色素を減らし肌が白くなっていったと考えられます。
逆にメラニン色素が多い濃い肌の色は紫外線を過度に遮断するためビタミンDを生成できずに淘汰されていった可能性があります。
黒い肌を持ったホモサピエンスはネアンデルタール人と交配する事で、いちはやく日射量の少ない高緯度地域の環境に適応したということです。
2010年の研究によると白色人種、黄色人種由来の遺伝子を1〜4%有しているといいいます。
ノアの方舟はネアンデルタール人の記憶?
地球は10万年サイクルで氷期(8万年)と間氷期(2万年)を繰り返している事は以前の記事で紹介しました。
現生人類とネアンデルタール人の混血が起こったのは約6万~5万年前と言われていますので、約11万年前に始まり、約1.5万年前に終わった「最終氷河期」の頃にあたります。
当時、大陸の大部分は、深さ数キロの巨大な氷の塊の氷床に埋もれていました。地球にある水(水蒸気、氷含む)の量は今と変わらないわけですから、陸地に氷がある分、今よりも海水面が低いことになります。
ネアンデルタール人とホモサピエンスが交配した5〜6万年前は最終氷河期でありながら一時的に気温が上昇しています。この頃大地の氷が溶けて海水面が上昇し、沿岸や大河の近くに居住していた人類は移住を余儀なくされたと考えられます。
その際にホモサピエンス(ノア)に知恵を授けたのがネアンデルタール人(神、エンキ、プロメテウス)だったのではないでしょうか。
まとめ
・神話において神が人類に知恵を授ける事はタブーとされている。
・神話において神は人の姿をしており、交配も可能である。
・知恵を与えたネアンデルタール人のをホモサピエンスは神と呼んだ。
・氷河期の終焉がノアの方舟の記憶か?
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ネアンデルタール人の歴史は40万年前ー2万年前の37万年間でホモサピエンスの歴史より長い。ネアンデルタール人が文明を発達させていたのではないか?とSF要素がトルコのクルド人問題に盛り込まれています。