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北海道旅:松前城に行ってきた!

前回は松前藩の歴史について紹介しました。

rekitabi.hatenablog.com

今回は松前城に行った過去の記録です。2022年のGWを利用して松前城へ行ってきました!

 

今回の記事では松前城での展示をもとに、松前藩成立の歴史から幕末と松前藩の終焉までを見ていきたいと思います。

 

 

 

札幌から新函館北斗まで特急北斗に乗り込み、新函館北斗からレンタカーです。

 

GWの北海道は桜が満開です。松前城は桜の名所として市民に親しまれています。

松前城またの名を福山城は日本の城郭として最後に作られた城です。

 

19世紀日本近海で外国船の出現が問題となると、異国との国境である蝦夷地に新城を作り、海岸防備を固めよ、と幕府からの命令が降りたのです。

満開の桜が美しい

松前城の内部は資料館になっています。松前成立の歴史が詳しく展示されており北海道民は知っておくべき歴史です。

鎌倉時代蝦夷管領として安東氏が任命された際に、安東氏が松前の大館に代官を置いた記録があるそうです。

 

15世紀に起きたアイヌの反乱(コシャマインの戦い)で大館は陥落します。道南十二館の一つ花沢館を納めていた蠣崎氏が反乱を鎮圧し、松前に移り住んで代官となります。

 

5代目蠣崎慶廣は時の権力者である豊臣秀吉徳川家康それぞれから蝦夷地の支配者として認められ、安東氏からの独立、松前藩主としての地位を確立します。

 

 

18世紀後半になると、鎖国化にあった日本と諸外国が接触する事件が頻発していきます。1792年にはロシア使節ラクスマンが大黒屋光太夫ら漂流民を連れて根室に来航し通称を要求、1796年には英国船プロビデンス号がアブタ沖、翌年には室蘭に来校しました。

 

 

1807年松前藩蝦夷地を没収され奥州梁川(現在の福島県伊達市)へ移封となります。外国船が日本近海に現れる中で松前藩による北方警備に対して、幕府が疑念を抱いたのでした。

 

蝦夷地は幕府の管轄となり、松前の福山館には松前奉行所が置かれ、城下は津軽弘前藩、南部盛岡藩により警備されました。

 

幕府は東蝦夷地の道路開削、東蝦夷地廻りの海運を発展させました。箱館を拠点とした高田屋嘉兵衛の努力により択捉島まで航路が延長されました。

 

新規領地への移封により松前藩は330名の家臣のうち210名のリストラを余儀なくされました。ここから14年間にわたる松前藩の移封生活が始まりました。

 

ナポレオン戦争の影響でロシアによる日本近海への南下政策が低調になってきたこと、蝦夷地経営の経費が幕府で問題となった事などから、蝦夷地を松前藩を返すこととなりました。1821年のことです。

 

1849年蝦夷地の海岸防衛力を強化するため、福山館に新城を築城するように幕府から命令が下されました。高崎藩(群馬県)の長沼流軍学者である市川一学を招き、福山城(松前城)が作られました。

 

1854年3月、米国と締結した神奈川条約により、幕府は翌年から伊豆下田と松前箱館の2港を開港する事となりました。

さらに、ロシアの南下の動きが活発になったこともあり、幕府は松前地方の木古内より東、乙部より北の蝦夷地を再び箱館奉行の直轄としました。

 

箱館奉行直轄地については仙台、秋田、南部、津軽会津、庄内の各藩に命じて主要地に陣屋を設けて警備にあたらせました。

 

福山城を築城した際の藩主松前崇廣は外様大名でありながら陸海軍総奉行に就任しました。1865年には幕府を代表して4カ国(英、仏、米、蘭、)と交渉しています。京都御所から近い兵庫港の開港を約束した事が朝廷の怒りに触れ官位剥奪となりました。

松前崇廣に仕えた松前藩家老の松前勘解由は1853年に家老格に昇進しペリーの首席応接使を務めました。1868年藩内の尊王・討幕を掲げる藩士達が結成した正義隊のクーデターにより自刃しています。

尊王・討幕を掲げる正義隊のクーデター後も藩主として祭り上げられた松前徳廣は箱館戦争では旧幕府軍と戦うも陥落します。弘前城は落ち延びますが肺結核で亡くなります。

 

松前徳廣の子松前修広は父と共に弘前城に逃亡するも、藩主として即位した後は新政府に協力し、蝦夷地で旧幕府軍と戦った軍功で藩知事になりました。

 

 

まとめ

松前から津軽海峡方面を見ると青森県がうっすら見えるので、人の往来もあったであろう事が想像されます。幕末、箱館戦争で敗れた松前藩が故郷を取り戻すために新政府軍と共に旧幕府軍と戦った話は胸にくるものがありました。

 

次回は最後の戊辰戦争である箱館戦争で激戦区となった箱館五稜郭について書いていきたいと思います。↓次回の記事

 

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