古代史好きな28歳サラリーマンのブログ

古代史、神話、医療に興味があるサラリーマンが全国を旅した発見を書き連ねます。

ウィルスから辿る日本人の起源

日本人のルーツに興味があります。

一部の日本人が感染しているとある珍しいウィルスによって日本人の起源を辿ることができるかもしれないというお話です。

 

目次

 

 

 

HTVL-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)とは?

 

HTVL-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)は感染すると〜を引き起こすウィルスです。

 

感染力は強くありません。性交渉で感染することもありますが、その危険性はそれほど高くなく、主な感染経路は母乳を介して起こり、対策をしなければ感染の確率は約20%とされています。

 

感染確率20%だと、計算上は一世代ごとに感染している人の割合は5分の1に減り、十世代も経てばウイルスは自然消滅するはずです。ただ、感染の確率約20%というのは現代のデータであって、人工乳などなく授乳期間が長かった過去の時代においてはもっと高い確率で母子感染が起こっていたのでしょう。

 

 

感染力があまり強くなく、主に母子感染するというウイルスの性質を考えると、今の時点でウイルスに感染している人たちの母親、祖母(母親の母親)、曽祖母(祖母の母親)もウイルスに感染していた可能性が高いと考えられます。

 

ウィルスに感染している地域に特徴があるのか見てみましょう。

 

HTVL-1の日本国内分布

1998年の論文をみると日本国内でHTVL-1に感染している人は約100 万人いるとされています。これらの人全員が白血病を発症するわけではなく、白血病の発症はわずか(5%以 下)です。

HTVL-1に感染している人の割合は日本の西南部(九州や沖縄)に多いことがわかっています。

さらに興味深いことに、海岸線に沿って日本海側では中国地方、東北、北海道、太平洋側では四国、紀伊半島、東北にウイルス保有者が多い地域があります。また、離島に多い一方で内陸部では少ない傾向があり、海岸線を伝って人の移動があったことを示しています。

加えて、1950年代に採 血され保存されていた北海道のアイヌの人々の血清を調べたところ,50%近 くの成人 がキ ャ リアであることが分かり、これは沖縄のそれを凌ぐ高率であったとあります。

 

縄文人は海の民

これらからわかることは、縄文時代の海の民の間で継承されてきた名残であることです。現代の朝鮮半島、中国に感染者はほとんど見つかっていないため、弥生時代に大陸なら渡来してきたいわゆる新モンゴロイド由来のものでは無さそうだからです。

 

縄文人とは、氷河期(1.5万年前終了)の日本列島が大陸と地続きだったころに日本列島へやってきた旧石器人のうち日本列島に定住した人々を指します。

 

北海道と九州沖縄に多いのは、大陸と地続きだったころの名残であり、家族内感染であるため、渡来してきた弥生人、古墳人が多い地域ほど感染している人の割合が少なくなっていくので、アイヌでの感染割合が低いのではないでしょうか。

 

 

 

わからないこと

・ウィルスが来た時代(縄文時代は長い)

・全国民を検査しておらず、あくまで感染率。もっと多い可能性もある。

 

参考文献:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1952/46/6/46_6_908/_pdf

1980年の論文なので日本人は縄文人弥生人の混血である「二重構造モデル」を元に説明していますが、現在は遺伝子解析により古墳人も含む三重構造モデルが定説になってきています。