Netflixで『呪術廻戦』を一気見しまして、日本の古代史エッセンスが散りばめられておりどハマりしております。
芥見下々『呪術廻戦』
今回は伏黒恵の十種影法術のモデルである物部氏と十種神宝(とくさのかむだから)について語りたいと思います。
十種神宝とは?
古代豪族物部氏に代々伝わるとされる宝「十種神宝」が伏黒恵の能力のモデルであると思われます。
十種神宝とは物部氏が神から与えられた十種類の神宝であり、それぞれが特殊な力を宿していると言われています。
上は十種神宝のイメージ図です。伏黒の式神に記されているシンボルに一致しています。
八握剣(やつかのつるぎ)なんかはそのままですね。
十種神宝については『先代旧事本紀』に天璽瑞宝十種(あまつるし・みずたからとくさ)として記されており、邇芸速日命(にぎはやひのみこと、が天野磐船に乗って天孫降臨する際に、天神御祖(あまつかみみおや)から授けられとされています。
十種神宝と物部氏の関係
ニギハヤヒとは日本神話に登場する神で、物部氏の祖先とされています。『日本書紀』によると初代天皇である神武天皇が大和にやって来る前に、既に大和を治めていた神とされています。
ニギハヤヒに関する記事はこちら↓
十種神宝が保管される籠神社に関する記事は↓
アマツカミオオミヤはニギハヤヒに対して「困ったことがあったら、この宝をゆらゆらと振るわせなさい。痛みや苦しみが消え去り、死んだ人をも生き返ることでしょう」と告げたといいます。
十種神宝の一つが収められている石上神宮に伝わる鎮魂祭の神事の祝詞(のりと)には次のような言葉があります。
「一ニ三四五六七八九十と唱へつつ布留部 由良由良止 布留部」
「ひとふたみよ いつむゆななや ここのたり
ととなへつつ ふるべゆらゆらとふるべ」
かく為ては死人も生き返らんと。
つまり、祝詞を唱えながら十種神宝をゆらゆらと振ることで死者を生き返らせる事ができると。
鎮魂祭の神事の起源はニギハヤヒの子、宇摩志麻遅命(うましまぢのみこと)が神武天皇と皇后の不老長寿を祈ったことが始まりだと言われています。
呪術廻戦のふるべゆらゆらの意味とは?
十種神宝の「死の克服」という力は『呪術廻戦』に取り入れられているように思います。伏黒恵の体を乗っ取った宿禰は現世に復活を果たします。この方法については伏黒恵の「十種影法術」がもつ「死者を生き返らせる力」を使ったのかもしれません。
伏黒恵を殺さずに成長を見守るような場面がありましたが、宿禰の狙いはこれだったのかもしれませんね。
祝詞が残された石上神宮は物部氏の氏神社であり、物部氏の祖がニギハヤヒとされているのです。
物部氏といえば飛鳥時代に蘇我氏と対立した豪族で、蘇我氏に敗れた後は歴史の表舞台から姿を消した氏族です。
神道派の物部氏と仏教派の蘇我氏の派遣争いは日本史の大きな転換点となる出来事と言えるでしょう。
次回は十種神宝を託されたニギハヤヒの末裔である謎の豪族物部氏について書いていきたいと思います。
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