ヨーロッパの極東に位置するルーマニアとローマの意外な関係についてまとめてみました。
目次
ルーマニアとは
東ヨーロッパに位置するルーマニアはドラキュラ伝説で有名な城やーで知られる国です。
ヨーロッパの東部に位置するルーマニアは約23万7,500k㎡(日本の本州とほぼ同じ大きさ)の中に1900万人が暮らしています。
ルーマニアをアルファベットで表記すると「Romania」となりローマ人という意味となります。 また、ルーマニアの国家には「今こそ世界へ証明しよう。この手の中にローマ人の血が流れていることを。我らの胸には誇らしい名前が刻まれている。戦争の英雄トラヤヌスの名前が。」とあります。
なぜローマから遠く離れたルーマニアがローマ人の末裔であることを誇りに感じているのでしょうか。
トラヤヌスとは?
トラヤヌスは1世紀に活躍した人物で、ローマ帝国に最大領域をもたらしました。
ローマ帝国「5賢帝」の一人です。
このトラヤヌスこそがルーマニアまで領域を広げた人物なのです。
世界史の窓より
ローマ帝国はライン川、ドナウ川から西側をローマ人の土地、向こう側をゲルマン人やケルト人、ダキア人の土地としていました。
現在のルーマニアの地には紀元前1000年(3000年前)頃からトラキア系民族が住んでおり、ローマ人は彼らをダキア人と呼んでいました。
ダキア人の王はしばしば兵を率いてドナウ川流域を越えてローマ領内へ侵入していました。
ローマ帝国からすると自然の城壁であるドナウ川を超えられてしまうと、勢いのままアドリア海に到達されローマ帝国が東西に分断される恐れもあり、恐怖だったのです。
そこで、トラヤヌスはダキア人の地まで遠征を行い、征服する事にしたのでした。(2世紀前半)
ローマにあるトラヤヌスの記念柱
ダキアのローマ化
ダキアを征服したローマ帝国は、防衛上の要地であるダキアに多くのローマ人を移住させました。
ダキア人とローマ人が混血した結果、現在のルーマニア人が形成されたというわけです。
ヨーロッパの言語分布をみると、ルーマニアはスラヴ語系言語やウラル語系言語を話す国に囲まれる中で、ローマ帝国の歴史をくむスペインやイタリアと同じラテン語系の言語が話されていることがわかります。
猿の惑星の主人公はシーザーです。日本人はシーザーと聞いてもピンとこないですが、ルーマニア人からするとローマ人の誇りやアイデンティティをくすぐられる名前なのでしょうか。いつかルーマニア人に聞いてみたいです。
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ゲルマン人はヨーロッパ人の祖先?